GUEST INFORMATION

成瀬 大輔

有限会社フタバヤ

https://web.futaba-fruits.jp/

1970 年、東京都中野区都立家政の果物屋に生まれる。 幼い頃から常に果物の香りの中で育ち、青春期はサーフィンや音楽、ストリートファッションに没頭。スノーボードにもハマり、大自然の魅力に憑りつかれる 2006 年、フタバフルーツ 3 代目となり、若かりし頃の遊びを通じて知り得た仲間の繋がりで、自身の感性と共鳴する全国さまざまな土地土地の農家さん達と出会う 仕事も遊びも真剣に自然と向き合う姿勢に深い想いを馳せ、全国の作り手と共にくだものの可能性を伝えたいと 2022 年に二葉屋株式会社を設立。 世界的にも評価の高い日本のくだもの。 鮨、ラーメンの次はニッポンのフルーツ"KUDAMONO"として国内外へ発信していきます。

1:生産者はアーティスト

成瀬氏が生産者をアーティストと表現するように、農地や畑は白いキャンバス、そこに元となる実を入れ育てるかはアーティストの感性次第。天候に左右され影響されながら1年に1回の作品を1年間かけて最高の作品を完成させるために努力をしている。日本の果物が高く評価されるのはその高い技術や繊細さと丁寧さ、そして何よりも愛がこもっているから。だからこそ、もっと評価されるべきだと現地から果物のオークションを催したいと長年思っているそうだ。金額が高いから良い物ということに直結するわけではないが、高い評価をすることでアーティスト=農家が評価をされ作品に価値が生まれる。映画祭や音楽祭などのように明確な評価に繋がる「何か」によって評したいと模索していると続けてくれた。そういった評価が明確になれば「食べる」ことに対してみんながもう少し丁寧に考える機会になれば良いなと思っているそうだ。ここ数年間で世界中でたくさんの人が現実と未来に対し様々な思いが生まれたと思うが成瀬氏は自分は果物をやっていこうと決意をし、「果物を通して喜びや愛のバトンを飛ばしていけたら良いよね」とそれが自分の使命だから色々な人たちとセッションをしながら果物と生産者のより良い未来を考えながら伝道師のように果物への愛を布教している。

2:社団法人フルーツマイスター協会の立ち上げ

業界への課題については必ずといって良いほど挙がるが、そこにエネルギーを注ぐのであれば自分は果物に注力したいと、2022年に社団法人フルーツマイスター協会を立ち上げ果物文化の発信に力を入れている。前出で話してくれた内容は協会での活動としてもちろん話しているそうだが様々な垣根を超え、果物を通して人生が豊かになればと考えているそうだ。果物は食べるだけではなく、香りにも使用され、アートの世界ではアイコンになり、歴史的な物語ではモチーフ、企業のアイコンなど色々な形で使われ、実は生活の中に身近な存在なんだよと確かにと思いつつ新たな発見のような面白い話をしてくれた。歪み合うのではなく垣根を超えて周りから色々な意見を聞きそれを受け入れ結果を残せば何か大きな1つになる、それが果物だったら自分は果たせるのではないかと声を通して人に思いを伝え話すことを大事にしている。「自分のことよりも人を喜ばせたい」と、人の喜びは自分の喜びであり必ず自分の鏡となる、単純だよと話してくれたがなかなかはっきりと言えることではなく素晴らしい思想だと思った。現在フタバヤは創業83年、17年後には創業100年になる。東京の街の果物屋が100年迎えたらこうなったよと、素敵な仲間たちと作り、今こんなに楽しんでいるよとそうなっていたいと目を輝かして話してくれた。

3:サブスクサービス開始

2024年1月からサブスクサービスの提供を開始したが、自分が思う毎月の一品を選びどんな意味があるのかを伝えたいという気持ちも込められている。成瀬氏が今何を考えこの果物を選び届けてくれたのか非常に興味が湧くが、そしてそこから自分はこういったものを作っていますと成瀬氏に連絡がいきとても良いアクションとなり相乗効果が生まれているそうだ。人を通して伝えていくことも大事にしている成瀬氏はイベントの開催にも力を入れているが、お花やファッション音楽などを通じて果物についての発信は勿論のこと「みんなが集まれば色々な果物が食べれるじゃない」と、どこまでも人が喜び楽しんでいる笑顔が大好きなんだと実感した。果物を通して世界平和を考えている成瀬氏は何度も「Peace」という言葉を交えて話していた。それも押し付けや決まり文句のようにではなく自然にさらっとだ。つまりは本当に世界平和、身近な仲間、すぐ目の前の人への感謝と愛を常に持っている人だからこそだ。何よりも果物に対する愛が深く、心から果物が好きなんだとも合わせて感じる。愛情込められて作られた美味しい果物を食べているからなのかもしれないが、温かく強く周りに栄養を与えてくれる太陽のような人であることには間違いない。