GUEST INFORMATION

竹林 史貴

株式会社 RUFLOG 代表取締役社長

https://rufflog.jp/

関西学院大学卒業後、2010年にサイバーエージェントに新卒入社。 広告事業部門にて入社2年目にして代理店部門最優秀ベストプレイヤー賞を受賞。 その後、株式会社AMoAdの営業マネージャーと代表取締役、 AMoAdの子会社であるAppelevenの代表取締役を経て、 2016年1月に独立。 2016年4月に株式会社LOB(エルオービー)を創立。 2018年 楽天グループにバイアウト。 2021年11月、株式会社RUFFLOGを創立。

2010年にサイバーエージェントに新卒入社し、広告代理店部門に所属。2年目に代理店部門最優秀賞プレイヤー賞を受賞。その後、子会社の代表取締役を経て2016年に独立し株式会社LOBを創立。現在は「ファッションからゴルフを好きになって欲しい」という思いでスタートし、ファッション感度の高いプレイヤーに新しいゴルフファッションを提案し続ける株式会RUFFLOGの代表取締役社長 竹林史貴氏を迎え大手広告代理店でのキャリアからブランド事業に至るまで話を聞かせていただいた。

1:大手広告代理店でのキャリア

Amebaやインターネット広告サイバーエージェント大手広告代理店、ゲーム事業など多岐に渡り事業を展開する大手広告代理店に2010年新卒で入社し、さぞ就職活動にも万全の準備をして挑んだのではときっかけを尋ねてみると「友達に誘われて説明会に行きイケてるなと直感的に感じて、そのまま面接対策などしないまま何の準備もせずに面接を受けたんです」と想像と真逆の答えが返ってきた。他企業の面接も同様のスタンスで挑んでいたそうで、最終的に内定が出たのはサイバーエージェントだけだったそうだが、ある意味嘘偽りなく面接を受けているので竹林氏のありのままを受け入れてくれたということになる。入社後は当時メイン事業だった広告代理店部門でトップを取れば成長できるのではと配属を希望し、2年目にして最優秀賞プレイヤー賞を受賞する。2012年にはDeNAとサイバーエージェントの合弁会社に立ち上げメンバーに抜擢され、その後「AMoAd」の代表取締役に就任。当時はスマートフォンが一気に普及し始め新規事業のアイデアが無限に溢れていた時代で子会社も複数設立していたそうだ。竹林氏もよりアプリに特化した広告事業を提案し業績を伸ばしていたが、28歳の2016年に独立を決意し、株式会社LOBを設立する。そのままエリート街道を突き進まずになぜ独立を選択したのか。その理由として株式を100%所有しているサイバーエージェントの子会社での代表取締役社長としての責任はありながらも自由にできない部分、経済的なリターンが少ない部分に限界を感じ決断したそうだ。

2:独立後の失敗と新たな取り組み

しかし、本当にやりたい事業があり独立をした訳ではなく、法人を設立しコンサル業での収益を納める目的で設立した会社だった為、立ち上げ当初は「何の会社か聞かれたらよく分からなかったですね笑」と振り返るが、独立前にAbemaTVのBスポーツチャンネルに携わり、自身もバスケットボールをやっていた経験からスポーツ関連にチャレンジする。きっかけはバスケをする際に体育館を利用するにはまずチームに登録し応募や抽選するなどの手続きが必要となり個人で手軽に予約をすることができないことに煩わしさを感じ、スポーツ施設のAirbndのような学校や、夜間だけ貸し出すなどのシステムができないかと奮闘するが、ほとんどの体育館は市区町村が運営をしており参入することができずに断念する。その時に自分の好きな事ややりたい事ではなく得意な部門に振り切ろうと広告業へと戻る。ちょうど当時はECのプラットフォーマーが広告に積極的だったため、楽天やAmazon、ZOZOなどが広告に参入し売り上げを急速に伸ばしていた時代背景に合わせ広告主とメディアをマッチングさせるシステムを作り始めた。そのタイミングでなんと楽天から声がかかる。当初は楽天の自社広告システムを作る業務委託での連携であったが、竹林氏のキャリアが見込まれ広告の仕様や売り方などのビジネス全体にも参入するなど深い関係性を構築していく。会社を設立してからたったの2年半、30歳のことである。大手企業は資本が入っている関連会社が事業部として広告部を運営しているところが多く、「新たに参入したうちがたまたまタイミング良かっただけですよ」と謙遜していたが、間違いなく竹林氏の説得力のあるキャリアと経験値、センスそしてなにより人間性の賜物だと思うがとても興味深いことを言っていた。「成果やお金は時と運やと。仕事ができる事とは比例せんからやりたいことをやれって言ってるんです。それで好きなことをやれるように、好きなことを仕事として成立させたいから意地張って会社をやり続けているんですよ」と。そうはっきり言えるにはサイバーエージェント入社、独立後すぐに楽天からのオファーなど運を勝ち取る人にはチャンスが巡ってくる。そのチャンスを逃さず確実に掴み成果を納めることをしてきた彼だからこそ、話を聞いているこちらもなるほどとストンと納得できる説得力のある言葉であった。

3:ゴルフブランド事業への参入と路面店のオープン

その後、独立して立ち上げた会社を楽天に買収されグループ会社となるがロックアップ期間中に「時間があってずっとゴルフをしていた」時に、自分が欲しいと思えるゴルフブランドが少なく、自分の私服の感覚に近いゴルフブランドを始めたいなと思い株式会社RUFFLOGを設立する。アパレルブランドのローンチといえば昨今オンラインでの販売がスタンダードであるが、オリジナルブランド発表ではなくセレクトショップとして店舗のオープンに踏み切っている。相当なリスクと覚悟がないと店舗を構えることにはリスクが伴うが「業界に本気の奴が出てきたなと思わせないと誰にも相手にされないと思った」と話すように、当初は仕入れはもちろん話を聞いてもらうことすら難しかったそうだ。当時は業界シェアトップのブランドが牛耳っており、どこに行ってもラインナップが同じだったことに違和感を感じファッション性の高いブランドを集めたそうである。

前編はこれまでのキャリアや経緯を聞いたが後半は新たな業界へ参入を果たし苦悩や展望など現在の竹林氏の動向を聞いてみようと思う。

後半へ続く。