GUEST INFORMATION

松重 尚志

株式会社ワークマン 広報部

株式会社ワークマン
https://www.workman.co.jp/

<企業プロフィール>
日本国内で作業服やアウトドアウェアを手がける企業。1979年の創業以来、「高品質・低価格・高機能」の商品を提供し、建設業や製造業などのプロフェッショナルから支持を得てきました。近年では、一般消費者向けのラインナップにも注力しており、アウトドアやスポーツ、日常生活に対応する幅広い製品を展開しています。特に「ワークマンプラス」や「WORKMAN女子」などの新業態店舗の成功により、ファッション性と機能性を両立した商品が注目を集め、ファッション業界でも存在感を高めています。ワークマンは、常に消費者ニーズを追求し、全国規模で店舗展開を拡大することで、日本の生活をより便利で快適にする企業として成長を続けています。

1:着る断熱材

1982年に群馬県で創業した作業服専門店の株式会社ワークマンは現在、全国47都道府県全てに出店を果たし1019店舗にまで拡大し、本部には約300人ほどの社員が在籍しているが、店舗はフランチャイズシステムを採用し、各店舗の店長が経営者となり商品の仕入れも行なっている。ほとんどの商品は一緒だが土地によって品揃えが変わってくるようで、たとえばお祭りの多い地域は地下足袋が人気だったりと風習や慣習によって変わってくるとは面白く、地方へ行った際に覗いてみるなんて事も楽しそうだなと思った。その中で松重氏が僕が言うのもなんですがと前置きをした上で「業界が驚愕した」新作を紹介してくれた。別名を着る断熱材と表現したX Shelter(エックスシェルター)シリーズは特殊断熱シートと吸光発熱わたを組み合わせた外部環境を無効化する新素材を使用し衣服内の快適温度を保ってくれるアイテムとの事。極めて軽く薄い非熱伝導性素材のテクノロジー開発に成功し外部環境の冷気が内部への伝導を極限までガード。衣服内環境から放出される熱の流出を極限まで防ぐ強力な断熱層が外部環境を無効化すると説明にあるが、つまりは家の断熱同様に外の冷気をシャットアウトしながら衣服の中は温かい状態を保ってくれる構造になっている。衣服内の環境が温度31~3℃・湿度40~50%が最も快適と言われているそうだがその状態をキープしてくれるのだ。しかも商品開発の背景として災害時における避難所の課題の1つとして寒冷期の防寒対策があるが、ワークマン社では寒冷期の過酷な環境下でも快適に過ごすことのできる画期的な製品が開発できないかと考え日本赤十字看護大学附属災害救護研究所と協力しX Shelterプロジェクトを開始したそうだ。そしてそれらの条件を満たす、いつでも快適な空間を実現できるシェルターのような衣服を目指し様々な試行錯誤の結果、家の断熱構造に着目し、衣服でも同様の環境が再現できないか挑戦。断熱シート素材と超保温中綿素材が完成した。実際に厳冬期に日本赤十字看護大学附属災害救護研究所のスタッフの方に着用していただきライフテストを実施したところ、従来の防寒服に比べて軽量で保温性に優れている点が高く評価されたお墨付きの商品と言うことは機能性は申し分ないと言っても過言ではない。しかしそんな過酷な環境には行かないしな…と思ったかもしれないが、外にいる時は温かく快適だが電車に乗ると暖房によって暑くて汗をかいてしまう、脱ぐのは面倒だから我慢して乗車している経験をした人もいると思うがそれも解消してくれるとなると話は別で非常に興味深く感じるのではないだろうか。

しかも価格はなんと3900円。全国発売予定とのことなので是非チェックしていただきたい。

2:声と意見

商品開発の時にアンバサダー制度を導入するほどお客様の声を重視するワークマン社は、決して良い事だけを取り入れるのではなく「ご意見」についても真摯に受け止める姿勢をとっている。お客様の声は全社員、全セクションに伝わるようになっていて意見をチャンスと捉えサービス改善や次の商品開発に反映させより良いものを作るその想いが強い様に感じる。価格設定も市場調査に基づいて行われ、高機能でデザイン性の高い商品を手頃な価格で提供することを目指している。最近はデザイン性、機能性が評判となり海外からもお客様は来られるようでその際ももっと大きいサイズが欲しい、カラフルな色があったらいいななどの日本では考え付かなかった新たな要望も拾って吸収しているそうだがそれには海外進出も視野に入れているからだと教えてくれた。まずは日本の文化と近い台湾から出店を考えているが勝負できると、その時が来たらと話していたがマーケティングをしっかりと行うワークマン社だからこそどのような商品がいいのか、価格帯はどうするかなど我々の想像の上をいく戦略があるのだと自信に満ち溢れたその目から伝わってきた。日本のテクノロジーを駆使した商品が海外でも受け入れられ喜ばれる日はそう遠くない気がした。

3:簡略化と効率化

ワークマン社が大切にしている事として「お客様の声」についての話を聞いたが、その他にお客様のため店舗によって商品の品揃えを変え全国の地域格差を解消する事にも力を入れ、価格は全国一律で販売している。また、店舗の販売員には接客に力を入れてもらうために発注のシステムを簡略化しボタン1つで発注が完了後、夜中に配送され翌日の開店時には店頭に届いている環境にすることで営業時間中の時間のある時に店頭へ陳列しすぐに販売ができるシステムを取り入れている。きっとこれも店頭のスタッフからこうして欲しい、こうだったらもっと販売に力を入れられるなどの声があったのではないだろうか。お客様だけではなく社内の声をも大事にするワークマン社の徹底ぶりが分かるエピソードだと思った。これもアパレルブランド同様に4シーズン毎に新作を発表し、地域に合わせた店舗毎に合わせた品揃えに加え必要な時に必ずあるという安心感と信頼を得られるための企業努力の賜物ではないだろうか。ファッションに全振りするわけではなく作業服から始まった企業としての機能性への飽くなき追求、お客様ファーストの商品開発、店頭スタッフへの配慮などが企業理念の「声のする方に進化する」「機能と価格に、新基準」「しない経営、データ経営、標準化」に対して全社員が同じ方向を見てきちんと実行している会社だなと感銘を受けた。企業理念を掲げながらも実行実現することは非常に難しくなかなか達成できている会社はそう多くない。企業理念を聞いてなるほど、だからそういった動きをしているのかとこんなにも感心したのはもしかしたら初めてかもしれないとすら思えるとても素晴らしい話であった。2週に渡り話を聞き、商品開発の背景、機能や価格など色々と想像を超えすぎてワークマンさん大丈夫ですか?もう少し価格上げたほうが良くないですか?と聞きたくなるがそこは松重氏の目を見て分かった。とにかくお客様に喜んでいただくことが好きな人たちが集まっている会社なのだろうと思った。利益や収益は一旦置いておいてお客様が喜ぶならやっちゃおう!と楽しそうに話しているイメージが湧くとても活気に溢れた明るい会社、それがワークマン社なんだと。

その想いが込められた商品達をこれからも全国、海外のお客様へ届けて欲しいと思う。本格的な冬が始まる前に是非、さまざまな業態があるのでどのラインがが自分に合っているかを想像しながら店舗へ足を運び商品を実際に見て着てこの感動を体験して欲しいと思う。