GUEST INFORMATION

ピニュエル ミシェル 金子

株式会社MARQUi

・CPH GOLFの企画、デザイン、運営業務
https://www.instagram.com/captainshelm_golf/

・And golfの運営業務
https://www.instagram.com/andgolf_shibuya/

・ショールームの運営業務(フランス パリ)
https://www.instagram.com/parisgolfgallery/

・LOST BALLSの運営業務
https://www.instagram.com/lostballs_tokyo/

株式会社MARQUi 代表取締役 ピニュエル ミシェル 金子

川崎生まれ。 高校までインターナショナルスクールで学び大学在学中の一年間はアメリカミシガン州で過ごす。 幼少期からモデルの仕事をしながら27歳の時にシューズブランドMARQUiのローンチと共に株式会社MARQUiを起業。後にディレクション業務でGLOBAL WORK、HAREといった国内の巨大ブランドのディレクターを経て。 社会人の頃から大好きなゴルフを主力事業とし、Captains Helm Golfのエグゼクティブディレクター、渋谷and GOLFの共同オーナー、今年には新たなるゴルフブランドLOST BALLSを東京とパリで同時ローンチを計画。

1:シューズブランドとゴルフスタジオ

ミッシェル氏が手がけるシューズブランド「MARQUi(マルキ)」はフランス語で侯爵を意味するmarquisから由来し「現代の侯爵」をコンセプトに型にはまる事の無いカラー、ファッショナブルなデザインアイディアを普遍的に取り入れ、最先端のストリートやカジュアルデザインを提案する。スリッポン型スニーカーに付けられたリボンやタッセル、フリンジを付け替えるデザインのシューズを展開しているが、パーティーなどにTシャツで行った際に入り口でドレスコードがあるのでと止められ時に「足元見てください、蝶ネクタイついているでしょう」とブランドコンセプトの侯爵にも少し皮肉めいたユニークな意味が込められているそうだ。侯爵とは、民衆が唯一与えられる貴族の称号で、社会において特権と栄誉を持つ貴族。侯爵は世襲され伝統的に受け継がれる地位とは違い、成り上がり貴族として位置づけされる。民衆上がりの位の低い貴族は、自らの地位や力を誇示する為、世の新しい流れに敏感に反応し、型にはまる事のない、新たなチャレンジを常に社交界の場で発信しなければ、世襲のそれには到底太刀打ちできない、そういった背景もありストリートさも感じられるデザインとなっている。フランス語で付けられたブランド名からも分かる様に父をフランス人にもつミッシェル氏は幼稚園から日本のフランス学校へ通い日本の大学へと進学。3歳からモデルを始め大学時代にアメリカで過ごした1年間以外は有名ファッション誌にも出るほどに活躍をしていたが、27歳で現在の株式会社MARQUiを立ち上げた。その後は前編でも伺ったようにアパレルのディレクションや、ゴルフブランドのエグゼクティブディレクターを務めるなど活躍の場も多岐に渡るが現在は渋谷最大級の会員制のゴルフスタジオを共同経営しているそうだ。特徴としてはクラブやグローブ、シューズは用意されており手ぶらで行けるオールインクルーシブで、高性能を搭載した韓国の最新メーカーを完備しインパクトのタイミングや角度の録画以外にも、威力までも全て計算されて出てくるため老若男女問わず人気を博している。また半個室でブース幅も3m以上と広々した空間や、経験者のスタッフが常駐しており初心者から上級者まで指導可能で無料のグループレッスンも提供するなど魅力的な要素が存分に盛り込まれている。

2:タイガーウッズとモックネック

もう1つのメイン事業であるゴルフウェアブランドを手掛けるミッシェル氏に最近のトレンドを尋ねると、普段着ないような服を着てゴルフをし非日常を楽しみたい方と、機能性を残しつつもゴルフのプレー以外でも普段着として着れるようなものを好む方人とで分かれる中でここ最近は後者のプレイアブルなウェアがトレンドだそうだ。特に人気なのがラウンドネックやクルーネックと呼ばれる所謂、丸首の襟を少し立たせたモックネックの形がどこのブランドでも売れ筋でそのきっかけが怪我をしていたタイガー・ウッズが2019年に復活劇を果たした試合でナイキの真っ赤なモックネックTシャツを着ていたことでその特徴的なデザインが注目を浴び、その後のマスターズでもモックネックを着て優勝したことから一気に広がりを見せたそうだ。さすがの影響力だが、その頃から次第にゴルフウェアの自由度が増していく訳だが、ゴルフウェアの定義は意外と曖昧でこうでなければいけないといった感じではないそうだ。太いパンツを履きポロシャツを着てサスペンダーをしてキャスケットをかぶって…というクラシックな画像や写真を目にしイメージできる人も少なくは無いと思うが現代でそういった服装でプレーする人は少なくキャップを被り、パンツにベルトを通しここ最近は芝生を傷つけないようにとスパイクレスのシューズが流行っているなど、どんどんとカジュアルな傾向になり勿論、服装に対して厳しいゴルフ場もあるが割と自由度が高まっているそうだ。これもアメリカからの流れのようで家から徒歩圏内にゴル場がありTシャツ短パンでプレーするなど誰でも出来るオープンスポーツとして日本よりもさらにカジュアルに楽しむ人が増えているからだと教えてくれた。一昔前はゴルフクラブのセットを揃えるのに100万円以上しラウンドも何万円もするなどお金のかかるスポーツとされていたが今は10万円ほどでセットも買え、4000円位から手頃な価格帯でラウンドできるゴルフ場もあるなどカジュアルに肩肘張らずに身近なスポーツとして楽しめるスポーツとなっている。また卓球やボーリングのようにライフスポーツとして年齢関係なくプレーができるスポーツであり、飛距離や体力的には勝てないがテクニックや経験値がものを言うといっても過言ではないほどに「70代のご年配の方がすごかったりして夢があるんですよと」とミッシェル氏も話すように比較的長く年齢を重ねても十分に楽しめ会話をしながら世代を超えて一緒にプレーできるコミュニケーショツールとしても重宝され、世界中どこに行っても同じコースがなく飽きずに楽しめる点も、唯一無二のスポーツではないだろうか。話を聞けば聞くほどに魅力的でゴルフ人口が増え続けているのも納得である。

3:新ブランドと今後の展望

新たに今年の秋にパリと東京同時に「ロストボールズ」というブランドのローンチを予定している。ロストボールつまりはボールを失くすことを意味するが、失くしたボールには全て物語があり、そのボールの数だけ成長がある、それをアパレルで体現できたらとブランド名にしたそうだ。ブランドの詳細などは随時ホームページやインスタグラムなどで明らかになっていくとのことなので楽しみにしていてほしい。更に、今年8月には神奈川カントリークラブのゴルフ場内に「THE PRO SHOP」としてオープンをしたそうなので是非、足を運んでみてはいかがだろうか。最後に、自身のゴルフブランドをヨーロッパ、世界中に広げていくことを夢に掲げ、フランス人の父親を持つ自分ならではの視点から、日本とフランスだけでなく、世界に向けてゴルフのあり方やブランドを発信していきたいと今後の意気込みも教えてくれた。

話を聞いていた中で1度ゴルフから離れたからこそ、その魅力を改めて実感し魅了され楽しんでいる様子がヒシヒシと感じ取れた。

子供の頃に集めたキン肉マンのキン消しの話を交え物を集めたりコレクションしてしまうのは男の性でありついついクラブなどのギアも集めてしまう、そしてそれをかっこいいな綺麗だなと、眺めているのも好きだと少年の目をしながら話してくれた彼が何故、さまざまな事業を展開するのか、それは「全てが好きで楽しいから」その一言に尽きる気がした。

次はどんな“おもちゃ”に彼が魅了されるコトやモノを見つけるのか、楽しみである。