GUEST INFORMATION
天沼 聰
株式会社エアークローゼット
https://www.air-closet.com/
株式会社エアークローゼット CEO 天沼 聰
1979年生まれ、千葉県出身。
高校時代をアイルランドで過ごし、英ロンドン大学コンピューター情報システム学科卒。
2003年アビームコンサルティングに入社し、IT・戦略系のコンサルタントとして約9年間従事。
2011年に楽天株式会社に転職し、UI/UXに特化したWebのグローバルマネージャーを務めた後、「ワクワクが空気のようにあたり
まえになる世界へ」をビジョンに、2014年7月に株式会社エアークローゼットを設立。
日本で初めての普段着に特化した月額制ファッションレンタルサービス『airCloset』を立ち上げ、その後もパーソナルスタイリン
グを提供するサービスを中心に複数の事業を展開。
一般社団法人日本パーソナルスタイリング振興協会 理事
一般社団法人日本サブスクリプションビジネス振興会 初代理事
一般社団法人シェアリングエコノミー協会 理事を務める。
1:海外生活で過ごした経験
高校時代をアイルランドで、大学はイギリスで過ごした天沼氏は情報システムや人工知能のデータ活用などの仕組み作りを専攻し学んだことで現在の仕事に結びついているが、そもそもは語学を目的とした留学というより中学1年生でイギリスに行った際に自分が生きてきた当たり前と違う世界に感銘を受け、今までの自分の価値観が当たり前ではないことに気づいたと同時に面白さと新鮮さを感じ異文化の中で生活をしてみたいと思ったことがきっかけだそうだ。海外で過ごしたこの経験から価値観の違いを学び、相手の価値観を受け入れ尊重することの重要性を体得する。価値観を押し付け合うから喧嘩や戦争が起きる反面、価値観を受け入れた上で相手側の気持になって考えることこそが本来の本質的なダイバーシティというものになるのではと考えるようになったそうだ。現在も会社の組織作りをする際にこの考えが中心にあり、社内のメンバー同士がディスカッションをする時にも考えや意見をぶつけ合うのではなく意見をテーブルの上に出し合うディベートの仕方を重視したやり方を重視しているが、そうすることでコミュニケーションがより活発になり組織が強なる、そうなっていると信じたいと話していた。
2:ワクワクするということ
エアークローゼット社のビジョンに掲げる“誰もがワクワクする新しい「あたりまえ」をつくろう”は、会社がどこに向かっていくかを考えた時に時間の価値を高めたいということが原点でありライフスタイルを豊かにしたい、全ての人の時間の価値を高められるような会社でありたいと改めて思い創業時の仲間3人で企業理念について話し合い辿り着いたことがワクワクすることだった。ワクワクという言葉には先の未来に対しての想いやワクワクしている時の状態や時間が1番価値が高いと定義し、ワクワク自体が空気のように当たり前になる世界へという想いや願いが込められている。話を聞き実際に文字にするとワクワクという言葉が数回に渡り溢れているがそれほどに需要であり核となっているワードでそもそもワクワクという言葉を聞くだけで、なぜか心が躍ってしまう感も否めない。しかし企業理念に掲げているとはいえ楽しくないことを無理に楽しもうと強要している訳ではなく1人1人全員に、全ての仕事に対する大切な役割を徹底的に理解したら絶対的に仕事が楽しくなるはずではないか、自分の存在価値がわかれば楽しくなるはずだと人生の中で大変を占め使っている仕事という貴重な時間をもっと充実してほしいと天沼氏は考えている。仕事の時間がワクワクしていればライフスタイルも高められ豊かにする時間として大事ではと想い全てをひっくるめて全力で楽むという意味も込め行動指針に入れていると続けてくれた。さらにはお客様に満足していただけること、感動していただけることはまずお客様以上に自分たちが考え提案しないことには感動体験は作れない、作り手が徹底的にお客様のことをお客様以上に考える姿勢を常に持ち続けないと感動体験は産めない、そういった想いがお客様の感動体験を大事にするという組織全体の行動指針に繋がっている。
3:新たなサービスと今後の展望
ファッションをレンタルすることは数年前では貸衣装のような非日常的な場面で利用するイメージがあったようにエアークローゼット社の日常着をレンタルする行動は決して当たり前ではなく新しい選択肢、新たな文化として認知してもらい、実際に体験してもらうことがまずは第一関門である。そのために自分たちが作っていきたい想いや価値を知っていただくために天沼氏が「PDCAを回していくこと」を社内で常に話しているそうだ。
PDCAとは、Plan(計画) Do(行動) Check(評価) Action(改善)のサイクルを何度も繰り返すことで継続的に業務改善を行うことで、失敗を失敗と捉えずに成功の種が必ずある改善活動を徹底的に続けていくことを大事にしている。そしてそれを「人生には限りがあるので」と早く回せるスピード感も重要だと考えている。創業してからのこの10年間で色々なコトが目まぐるしく変化しサブスクリクション、シェアリングエコノミー、サステナビリティなどの言葉や行動が生まれ様々な新しい価値観が誕生し浸透してきた。何事も始めは知らないことへの抵抗感があり受け入れられることに時間は要するががコロナ禍を経て人生をより豊かにしたい想いや考えが強くなりファッションへも自己表現として自由に楽しむ人も増えたように思う。それほどにファッションには内面も外見も変えてくれる不思議な力がありそう言った出会いを届けたいと新たに昨年から始めたサービスが「airCloset Mall(エアクロモール)」である。美顔器やシャワーヘッドやドライヤーなど実際に生活の中で使用し体験しないとわからないアイテムをメーカー公認でレンタルし使い続けられそうだと思ったら購入できるサービスである。口コミなどに促され購入したものの実際には使わなくなった経験がある人も多いと思うが実際に使用する体験ができ満足してから購入すれば無駄にならずにサステナブルにも繋がる素晴らしいサービスではないだろうか。
そして若年層をターゲットにした「ディズニーファッションクローゼット」はディズニーキャラクターのエッセンスを取り入れたアイテムを取り揃えている。友人とリンクコーデをしてお出かけして写真を撮りSNSに載せる若年層ならではの楽しみ方も、何度も複数人で楽しめるコトができるのもレンタルならでなの醍醐味だ。
ここまで話を聞いてやはり女性の利用者が多い様に感じるが今後はメンズ向けサービの拡大も視野に入れ更なるレンタル文化の浸透、定着化に力を入れていきたいと話してくれた。
天沼氏の話を聞いた中で「全ての人の時間の価値を高めたい」「ワクワクする時間を増やしたい」ということを何度も話していたが心から想い、出てきている言葉だと感じた。それは周りの人だけではなく自分自身にも問いかけ実行しようとしている決意にも聞こえた。新たなことを始めるには誰しもが少なからず怖さや不安はついて回るが天沼氏のようにその先にワクワクがあると思えば一歩を踏み出せるのではないだろうか。新しいムーブを作り続ける天沼氏とエアークロゼット社の今後が楽しみでありワクワクしている自分がいてとても楽しい気持ちになった回であった。