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近藤 祐輔

株式会社FC大阪 代表取締役CEO

https://fc-osaka.com/

北海道文教大学明清高等学校から2005年にJ2に参入したザスパ草津に加入。 2007年に退団してからは地域リーグのバンディオンセ神戸/バンディオンセ加古川、FC大阪でプレー し、2014年1月に現役を引退。 FC大阪CRAVO監督およびFC大阪テクニカルディレクターを兼任する。 2015年1月にFC大阪の運営会社であった株式会社アールダッシュ専務取締役に就任し、2018年12月 14日、同社取締役副社長に就任。 2021年3月13日、前任の疋田晴巳の急逝に伴い、株式会社F.C.大阪代表取締役社長に就任。 選手時代のポジションはゴールキーパー。

1:「共創」を。

Jリーグの理念にもある500年続くクラブを作るためには地域と密接な関係であり続けることも重要になってくる。試合を行うスタジアムに人が集まれば必然的にその街が潤い活気つき、チームが強くなればなるほどに認知度も高まりさらに動員数が増える。社会的インパクトを与えることが課題解決に繋がるが、「そのためにはやっぱり強くなければいけないんです」と力強く話す。
地域と密接な関係を築くためにはクラブの理念に共感し応援しててくださる企業とパートナーシップを結ぶことは必須となるがF.C.大阪のスポンサーは多岐に渡っている。
故に、ホームページのトップにくる企業、ユニフォームに載せる企業などある程度の差をつけなければいけない。そこは営利団体なので大事なことではあるが、企業側からこのチームのユニフォームに自社の名前を載せたいと“思わせる”には、やはり勝ち続け、強く魅力的なチームでなければいけない。J1では大手企業のスポンサーが子会社としてサッカークラブがあるケースも少なくないが
「僕らはベンチャー企業みたいなものなので」と話すようにこれまでの歴史は尊重しつつ新たなことを開拓し挑戦していく、そして地域の方々と手を取り合いながら「競走」ではなく「共創」していくことも大事だと話していた。

2:垣根を超えあうことで加速する地域への貢献

FC大阪のホームグラウンドは、ラグビーで有名な花園ラグビー場である。国立競技場で陸上を、甲子園で野球の試合が行われるのと同じくラグビーといえば花園とイメージを強く持つ人も多いのではいだろうか。しかし、スポーツの街として市長含め力を入れておりラグビーとサッカー双方のファンが競技を超え観戦に来ることも少なくないという。競技場を1つのスポーツ専用としてだけではなく多岐に渡り使用する取り組みは総合的に相乗効果が生まれ、地域に貢献しているのだ。再度「強さ」に戻ってしまうが、勝利にこだわり同時に感動も与えるような試合をすることも大切にしている。勝ち負けの世界でも一生懸命戦えばたとえ負けても観ている人に感動を与えることができる。東大阪の名前を背負っているので市民の皆さんに誇らしく思っていただけるためにも恥ずかしい試合はしたくない、やりきって頑張るのが大前提であり、
最も良くないことは見ている人にフラストレーションが溜まる、もっとできるだろうと思わせる試合であるとも話していた。

3:固定概念への打破

最後に近藤氏にとって最も意識していることについて聞いてみた。
「固定概念を持たないこと」
自分がそうではないと思っていることも1回は受け入れるキャパシティは持ち続けないと幅が広がらない。経験は諸刃の剣でもあり、流れが急激にスピードアップしている現代では自分が経験したことは大事だがその経験が役立つ時と役立たない時がある。サッカー業界でも同様に、経験が生かされることもあるが業界の歴史や要素もそれが全てではない、J1の良いところは真似したいがそこを目指すのではなく、サッカー業界の常識なども打ち破っていかないといけないがそれにはもっと強くなり性能を上げないといけない。近藤氏に2週に渡り話を聞いたが、どの話をしても最終的に「強さ」に辿りつく。どこまでも「強さ」への強い意志を感じた。
そして、最後に目標を聞くと、最短ルートでJ2にチームを上げ、大阪関西万博が開催されるされる2025年にはJ1に上げることを標榜している。

最短ルートは2年。
どういう試合運びをしてどういう戦略で勝利を収めていくのか、これからも非常に楽しみであり、スタジアムへ足を運び我々も試合を観戦し共に盛り上げていきたいと思う。