GUEST INFORMATION

長崎 良太

ビルボード事業本部 企画制作部長

ビルボード事業本部 企画制作部長
https://www.billboard-live.com/

大学在学中にブルーノート大阪でのアルバイトをきっかけに音楽業界入りし、ブルーノート名古屋の立ち上げ・責任者として多くのジャズレジェンドを招聘する。2013年に阪神コンテンツリンクへ移籍し、現在はBillboard Liveのブッキングおよび企画制作全般を統括。洋楽・邦楽を問わず幅広いアーティストのステージをプロデュースし、Billboardブランドのブランディングに取り組んでいる。

1:ミュージックとは

業界歴は20年超え、株式会社阪神コンテンツリンク入社は12年目とそのキャリアは長きに渡るが、学生時代はアメリカ留学をしたりと「フラフラしていた」そうだが音楽業界でいくつもアルバイトをしていた時に大阪で洋楽のコンサートプロモーターの仕事を経験し、今まではお客さんとして行っていたコンサートの裏側を見てダイナミックで夢があるなと思い学生時代の自分にバチっとハマりやりたいと運命を感じたそうだ。それなりに英語もでき、アーティストも人よりは詳しく知識は誰にも負けない自信も音楽のセンスもあると若気の至りと比喩していたが好きという熱意で飛び込む決意をする。その後、大阪のブルーノートでのアルバイト時に名古屋のブルーノートの立ち上げに携わりブッキング、宣伝、機材搬入など多岐にわたる業務を経験し、そこから20数年どっぷりと業界にいるのだから当時の判断は間違いないと音楽を愛していることがうかがえる。ではその長崎氏にとっての「アーティストとは」を尋ねると好きなアーティストと前置きをしながらプリンスとアイズレー・ブラザーズを挙げてくれた。共にソウルやR&Bに根付いた2組で自身の音楽的な嗜好に大きな影響を与え日本に呼ぶことを熱望したがそれは叶えられなかった、だからこそずっと憧れの人として想い続けられるのかもしれない。好きなアーティストのライブを観たいと思うのはファンとしては必然であるが長崎氏は「パフォーマンスする側のものって思われがちですけど、見る側が作るものっていう要素の方が大きい」と興味深いことを話してくれた。一括りにアーティストのライブと言っても環境をも左右し影響する流石の着眼点である。例えばアメリカではお客さんがとにかく陽気でアーティストと共に歌い盛りがる、その空間こそが輪をかけアーティスト自身も触発されもっと良いパフォーマンスができる、つまりは観る側も魅せる側もバイブスが交差した時に新たなミュージックが生まれるのだ。

2:新鮮なミュージック

長きにブッキングに携わり自身の趣味嗜好だけでは成り立たないことは明白であり、その選定基準が気になるところではあるが「ライブが良いのは当たり前」とCDで育った世代だからこその返答が来て嬉しく思った。世の中にニーズのある人をブッキングするのはビジネス的には大前提だが、逆にユーザーがお金を払い聞く、観る、行く、買うことには理由があり意味がある、それを意味するのは全て「初期衝動とエンタメの本質」だと長崎氏は言うがそれを差し置いてピュアに向き合えるか感性で「自分が好きかどうか」であるとグッとくる回答をしてくれた。その好きが偏らないようにチームの若い世代の意見も取り入れ最終的に決断するそうだが、その感性を長く持続する秘訣が必ずあるはずで、完成の偏りこそ邪魔になり得る業界であるから切り込むと「人間は30歳以上に新しい音楽を拒絶する傾向にある」と面白い一説を唱えてくれた。音楽の好みは10代で固まり若い時に聴いた音楽や影響を受けた音楽が決定づける傾向は納得がいく。だから若い世代の好みを取り入れ自分と感性の違う人の物差しというのも大切にし、目利きのセンスのある千里眼のある信用できるスタッフが近くに何人もいてくれるのはすごく大事だと感謝の心も持ち合わせる柔軟性はこのラジオを聴くリスナーの皆様も是非、参考にして欲しいと思う。

3:グローバルな活躍

「これからは日本のアーティストが海外へ出ていく」とドキッとするワードを発してくれたがそれには理由がある。海外でライブやフェスに出演し、サブスクでも聴けることができる日本人アーティストのそのポテンシャルは十分でこの現代の発信できる環境が更に後押しして本格的になると長崎氏は言う。日本と海外がシームレスになり、世界のあらゆる国が同じ条件で同じマーケットでグローバルになるからこそ言語は関係なく音楽として同じ土俵に立ち戦える要素は持ち合わせていると分析する。それは世界中のアーティストをメジャーからアンダーグラウンド、SNSでもチェックし、他国で売れていても日本ではウケないと判断する力、埋もれている原石を発掘する先見の明とキャッチする柔軟性を持ち合わせていないと到底850日は稼働できないだろう。だからこそ日本人アーティストをグローバルに活躍できるような土壌をビルボードで作っていきたいと意気込みを話してくれた。

ビルボードはライブだけではなく食事を楽しむこともできるが、音楽とは食べ物と同じく好き嫌いが明白であると思う。舌で感じる美味しさ、耳が感じる心地よさはどちらも脳が気持ちいいと感じるかどうか=オーガズム(快楽)に似ている感覚に近い。俗に言う誰と食べるか、と同じく誰とどう感じるか誰とバイブスを分け合い何倍にできるか、それが唯一できるのは音楽ではないかと思う。いつもより特別な服と靴を履きワクワクしながら大人が耳と目と舌で全て楽しめる場所、

それがビルボートであると思う。非日常である空間にどっぷりと浸かるそんな日常を楽しんでみたはいかがだろうか。凝り固まった独特の感性は衰える故、定期的に新しさを取り入れることも併せてお勧めしたいと思う。