GUEST INFORMATION

明石 圭祐

GO株式会社 IRIS支援室ビジネスグループ マネージャー兼 株式会社IRIS メディア統括責任者

・GO株式会社
https://goinc.jp/

・株式会社IRIS
https://www.iris.inc/

GO株式会社 IRIS支援室ビジネスグループ マネージャー兼株式会社IRIS メディア統括責任者 明石 圭祐

<ゲストプロフィール>
大阪府出身。 関西大学商学部を卒業後、新卒で株式会社USENに入社。 有線放送営業で関西新卒1位になり、GyaO!事業部へ異動。 同時に東京へ。 USENグループのもつ全てのメディアを提案する広告営業を経験。 GyaOがYahooに売却されることを機に楽天へ転職するが、半年後にYahoo傘下のGYAOに出戻り。 そこからはGYAOで広告営業、ソフトバンクマーケティング本部への出向、人事、Yahooの動画プロジェクト、コンテンツプロモーション、制作などを経験し、GYAOのサービス終了に伴ってLINEVOOMへ異動。 1年前にGOに入社。IRISに出向。現在はタクシーメディアTOKYO PRIMEのメディア統括責任者として、コンテンツの編成、制作、広告タイアップなど、メディアプロデュース業務全般に携わっている。

1:キャリアスタート

大阪出身の明石氏は大学卒業後に株式会社USENに新卒で入社し、お店などにUSENを導入する営業の業務を担っていたが1年目にして関西で1番を獲得したそうだ。人気部署への異動という人参をぶら下げられていたから頑張りましたと笑っていたが入社すぐのスキルも経験も何もない人が簡単に1位を獲れるには秘訣があるはずだと聞いてみると行動力と誠実さだと答えてくれた。実は最終集計前は2位だったが1位だった人の契約が最終的に不成立となり明石氏が1位となったそうだが1件1件誠実に説明をし契約をしていたことで不成立がなかったからだと、自分が大事にしていた誠実さが結果に繋がったと改めて実感したそうだ。その後、営業成績が優秀だったこともあり念願だったYouTubeよりも先に出たドラマやアニメ、音楽ライブ、オリジナル番組など沢山のコンテンツが無料で観れるインターネット動画配信サービスGYAO!の広告営業に携わる。当時、株式会社USENの現取締役会長がこれからはテレビだけではなくインターネットを通して映像コンテンツを楽しむ時代が来ると2005年からGYAO!をスタートさせるがまだ当時はインターネット自体が遅い時代で不便さも感じられる部分はあったが無料ということも相まって大人気であった。

明石氏は2007年に先述の通りに優秀な営業成績を残し優勝した結果、念願の異動を果たし現在のキャリアの原点ともなる広告とコンテンツ事業に携わることになったが全体をみると広告営業の方が長い。長年携わってきた観点から広告の変化などを尋ねると昔は印象に残り話題になればよしとされていたが今は効果や数字が明確化され良くも悪くも見える様になり少し窮屈さも感じていると答えてくれた。その分、本質的な広告プロモーションをやっていかないといけないと自分自身のスキルアップにもなり良い面であると続けた。

さらに課題として、効果重視に偏りすぎている点を挙げ、本来の広告の役割は新しいものを広く知らしめることだと指摘しその本質を忘れずにいる必要性を強調する一方で、データに基づく効果測定の重要性も認めつつ両者のバランスをとることを課題にしている。

2:愛されるメディアとは

筋トレやサウナに加え、思いっきり息を切らしながら好きな曲を歌える一人カラオケなど所謂「おひとり様」の趣味を楽しむ反面、自制心も鍛えられ普段出会えない人たちと出会うことができビジネスチャンスに繋がる機会も多いゴルフも好むとても多趣味でアクティブな明石氏だが、「趣味を楽しむための情報を集めている時にヒントを得ている」と、楽しみ方が非常に面白い。例えば、有効的な筋トレをするためのやり方やカラオケで歌うために流行っている曲をSNSで調べていると求めている情報以外にも予期せぬ周辺情報が入ってくる、そこから得た新たな情報からヒントを得ることも多いと話す。確かに、調べていたはずが求めていた答えに辿り着く前にいろいろな情報が入ってきて結果ネットサーフをしてしまい何を調べてたんだっけと何時間も経っていたなんて経験をした人も多いはず。その経過段階までも趣味と捉え楽しんでいるとは根っからのマーケターだと思った。この予期せず得た情報こそが先手のTOKYO PRIMEのヒントにも通じる訳だが、発信する側はどうしても独りよがりに押し付けがましくなってしまうがそうではなく、相手や世の中が求めていることって何だろうとしっかりとキャッチアップし情報や人が自然と集まる場所にしたいと考えている。人が集まる場所には自ずとお金が集まる、これは決して悪い事ではなく事業にとってはとても大事なことであり愛されるメディアであること=愛されるためにはどうあるべきかを考えることによって時代の流れや今求められていることが見え、発信する側と得る側の需要と供給が成立する。テレビだったら面白い番組を作れば観てくれる人が増えるがタクシーのメディアは幾ら面白いと持って作ったとしてもパイが増えるわけではなくタクシーに乗る人にしか当たらないからこそ乗る人にとって良いものを提供していかなければならない。TOKYO PRIMEも乗車率の高いビジネスマン向けをベースにはしているが、利用者は年齢層や性別も異なり都市部や地方によってライフスタイルも違う、ターゲットに照準を合わせパーソナライズ化し過ぎるのは「ただの欲しい情報」となり元も子もないが情報の見極めはとても肝心なポイントなのかもしれない。

3:別の世界へと連れて行ってくれる新しい情報

人の生活を変えられるサービス事業に関わっていたいと最近気付いたと話すように、GYAO!の時はテレビやメディアからインターネットを通じて映像を見るとういう画期的な変化に、GOでは移動の体験がガラリと変わるなどそういった変化の節目にこれからも携わっていたいと話してくれた。プライベートでは誠実さと相手がどういうことを考えどういう立場でいるのかどんな背景があるのか気持ちを汲み取り自分がどう立ち振る舞うべきかを常々意識しているそうだ。どちらも

人を喜ばせたいという気持ちが滲み出る回答で実に明石氏らしいなと思った。

そして、メディアに対しても感じ取られるとても印象的な話をしてくれたのだが、現代は欲しい情報を1度調べるとアルゴリズムでパーソナライズされた自分好みの心地いい情報が常にいくらでも入ってくるがタクシーに乗っている時は普段の自分には入ってこない少し自分の枠の外に連れて行ってくれるような別の世界観を作りたいと思っているそうだ。歳を重ね経験値だけが増えていき自分軸での考え方や新しい事へ否定的になり躊躇しどこか独りよがりになりがち・・・今、ドキッとしたオトナ世代は間違いなくいるだろう。これは致し方ないことでもあるが少なからず近年の情報過多によって偏った考え方が生じているとも考えられる。欲しい情報だけを集めていたらそれがいつしか全てであり正義とすら勘違いをしてしまう、そうならないためにもたまには無駄と思える情報やコト、モノにも目を向けいくつになっても新たな価値観を育てていくことが大切なのかもしれない。移動手段として利用していたタクシーの車内に新たな世界が生まれていた。乗務員さん好みのラジオを強制的に聞かされることもなく、タバコの匂いもせず、座席は広く常に適温を保ってくれている空間にいつから変わっていたのだろう。画期的に変わったはずがいつからだろうと思い出せないほどに自然に気づかない内に居心地の良い空間に変わっていた。

安心安全で快適、それにはたくさんの企業努力があり日本特有のおもてなし精神が存分に組み込まれたタクシーという新たな名所と言っても過言ではないような気がする。企業の商品やサービスを紹介するTOKYO PRIMEのオリジナル番組「TOKYO PRIME VOICE」「ニュースフル」などコンテンツも増えているので是非、タクシータイムは携帯を置いてゆっくりと情報収集をしてもらいたいと思う。その時はもちろんGOを手配して目的地へと向かっていただきたい。