GUEST INFORMATION

原口 宇志、大橋 卓斗

株式会社ユニエイム

https://uniaim.co.jp/

「世の中にある非効率と不合理を解決する。」というミッションの達成に向け、 ソフトウェア、プラットフォーム、ビジネスモデルを開発、提供。

事業内容
1、POSサービス事業
https://cashier-pos.com/
リテール、フードビジネスにPOS レジを中心としたソリューション を提供

2、チケットサービス事業
https://cloud-pass.info/
紙によるチケット形態から販売フローの合理化、購入体験の効率化を図り、チケット事業におけるデジタルシフトを推進

3、イベント制作事業
https://tokyo-outletweek.com/

アパレル業界における余剰在庫問題を解決するべく、国内最大規模のアウトレットイベントを主催

1:ユニエイム社の主軸である3つの事業内容

前編では株式会社ユニエイムが手掛ける3つの事業の内、クラウド型のPOSレジ「CASHIER(キャッシャー)」について詳しく聞いたが、創業時からエンターテイメントの業界に携わっていたその経緯について聞くと競合が多い中で市場を探している時にイベントやライブでグッツ販売をしている際に電卓で計算し現金で対応している姿を見て絶対POSレジを入れたほうが効率的かつ間違いもなくなくなるのではと提案をし採用され広がっていったそうだ。エンタメに業界ではNo.1のシェアを誇っていたことから2つ目のコンサートや遊園地などのイベント施設での入場券などの販売から入場管理まで一括で行えるチケット販売システムに繋がっていく。当時は紙の入場チケットをスタッフがもぎり、そのもぎったチケットを何人もの人が手数えで何人入場したかを数えていたのを目の当たりにしデジタル化したほうが良いと思ったのがきっかけで、入場を受け付けるシステム開発から着手をする。チケットに元々入っていたバーコードを使いピッと読み込むとデータとして何人入ったかが分かるシステムを作り、そこからチケット販売から受付まで一貫して管理できる仕組みへと発展していった。2015年くらいから展開を始めエンタメ系以外にも美術館や船の乗船チケットなどジャンルを問わずユニエイム社のシステムは全国で展開をしている。今やチケット=デジタルが一般的になってきているがそのきっかけとなったのはコロナ禍の接触を懸念される時期にデジタル化が加速し更に広がっていった。

3つ目の女性向けアパレルブランドが80ブランドほど出店し東京では年3回、名古屋では年2回、3日間ほど開催するアウトレットイベントは、お会計はPOSレジで行い入場チケットのシステムも活用できるユニエイム社のサービスが全て詰まったイベントの運営を行っている。

2:省人化と人との繋がり

エンタメ業界から店舗にシフトチェンジしたきっかけはやはりコロナ禍が影響していた。イベントの開催がなくなり売り上げも5分の1まで落ち込みその後も1~2年は厳しい状況が続いた。徐々に経済が復活したタイミングで領域を一気に店舗へと切り替えたそうだがシステム開発する人を増やし営業部の人員も増やし仕掛けていきコロナ明けからグッと成長し売り上げも伸びたと振り返る。その業界でも課題に挙がる慢性的な人材不足、そこもユニエイム社はシステム化し効率化することでカバーできると話す。例えば今までレジスタッフが必要だったポジションをセルフレジに変えたり、飲食店の注文をタブレットに変える、チケットも読み込むだけで入場ができるなどユニエイム社が提供するサービスを導入し省人化することで人材不足問題の解決の兆しが見えるのは確かである。ユニエイム社のミッション、ビジョン、バリューの中で1番大事にしているビジョンの中に「Make More Fan」つまりはファンを増やしていくという言葉を掲げているが、お客様だけではなく、働くメンバー、その家族、関わる人全てがユニエイム社のファンになってもらえるように成長を続けながら少し先を見据えて進化し魅力に繋がっていくことを大事にし目指している。「人」がいなくても成り立つサービスを提案し、会社のビジョンでは「人」との繋がりを大事にしている、少々矛盾があるのではと率直に疑問をぶつけてみると、、AIがいくら発達したとしてもサービスを考えるのも、作るのも、提案するのも、提供した後にサポートしていくのも人だからこそ人との繋がりは大事にしていきたい、むしろ蔑ろにしてはいけない部分だと思っていると答えてくれた。「矛盾しているなと思う部分ではあるんですけどね」と笑っていたが時代に合ったサービスを提供し進化していく中でコロナ禍を経て省人化という働き方は今あるべき姿だが、どの時代にも人は不可欠であり提供する側と選択する側との信頼関係があるからこそ成り立つサービスではないだろうか。人がいなくても良いではなく、省人化することで少しの煩わしさを解消し懸念材料を和らげることができる人に優しいサービスなのではないかと思った。

3:5つのバリュー

ユニエイム社は「成功よりも成長を目的とする」「プロフェッショナルなチームワーク」「正しい利己性」「フェアな関係を追求する」「期待を超える」の5つのバリューを挙げているが、その中の「正しい利己性」について説明をしてもらった。仕事上や人との関わりの中で判断を強いられた際、お客様や共に成長し働く仲間、他にも多くの人や会社にとって有益な行動であれば評価はするが、一方で自分自身が有益で他の人に不利益を与える選択をした際は評価はできませんよとキッパリと伝えているそうだ。周りに不利益な判断は全体の倫理観を崩し信頼を失う行動に繋がる、最終的に自分の言動は全て自分に返ってくる、良いことも悪いことも全て自分に繋がり自分のためになるという考えであり、人との繋がりを大事にする原口氏らしい言葉だと感じた。また我々は草サッカーチームをやっているわけではない全国優勝を目指す集団と元々サッカー経験者ならではの面白い例えも聞かせてくれたが、「一緒の方向を見ていけるメンバーと成長していきたいというのが常にずっとある。夢でもあるがそれを持ち続けていきたい」とシンプルであるからこそグッと胸に響く言葉がとても印象的であった。今後の展望を聞いた際に「僕らは革命的なことは起こせないけど一歩先の進化をずっとし続けていきたい」と、ちょっとした便利のアップデートをし続けていると話してくれたがそれはとても必要なことであり消費者としてはとても嬉しいことである。セルフレジやタブレット注文は今や当たり前のように日々使っているがその少しの不便利さに着目し解消してくれるサービスは決して派手な主役ではないかもしれないが、記憶に残る名脇役のような馴染みのあるお味噌汁のようなずっと近くにいて欲しい存在なのではないだろうか。当たり前じゃないことがいつの間にか当たり前になっている、そういったことは絶対的に誰かが作り出している。そのことを忘れがちだが「なんか便利になったな」という事に対しても感謝を忘れないようにしようと思った。

次に「なんか便利になったな」と気づきふと思う時はどんなシチュエーションで訪れるのだろうかと楽しみだ。私たちの生活を便利に進化させてくれるユニエイム社に期待していきたいと思う。