GUEST INFORMATION

矢部 修

株式会社トランジットジェネラルオフィス

https://www.transit-web.com/

1975 年仙台市生まれ、宇都宮育ち。 大学生時代に伊勢丹新宿店にてアルバイトとして勤務時に現トランジット代表中村貞裕と出会う。 ファッションデザイナーのアトリエでの勤務を経て、トランジットのケータリング事業部にて「イケメンハンター」として活躍。 その後ラグジュアリーブランドのドアマンを行う TRANSIT DOORMAN div を立ち上げたのちPR 戦略チームに加わり今に至る。各種飲食店だけでなく、ゴルフブランド・キャンプ施設・ウェルネス事業など多岐にわたる PR 活動に奔走する毎日を送る「おしゃべりおぢさん」として社内外に親しまれている。

1:長きに渡り好調なケータリング事業とドアマン事業

前編でも少し触れたがケータリング事業に関してはトランジット社の右に出る者はいないと言っても過言ではないほどに圧倒的な地位を確立している。現在も依頼をお断りするほどにハイブランのメガパーティーや商業施設の開業に伴うパーティーなどフル稼働で目まぐるしいそうだ。フィンガーフードとドリンクの提供とサービスがメインではあるが、日常からもう1歩上に行く非日常的なドラマのワンシーンを作り上げることを常に意識していると話してくれた。サービスマンのビジュアルはもちろんのこと、パーティーに出向いた時にエントランスで素敵な男性がようこそと出迎えてくれ、物腰の柔らかいソフトな紳士がサッとドリンクを提供してくれたら男女問わず映画のワンシーンの主人公になったかのような感覚になり、華やかな空間と対応に心が躍るのではないだろうか。クライアントに鍛え上げたと話すようにリクエスト1つ1つを丁寧にクリアすることでクオリティも上がりノウハウを積み上げ失敗が経験として生かされているからこそ、10年前とは桁違いに成長していると手応えを感じている。現場へ出向く際には最初に来た時よりも綺麗にして失礼しましょうということを常に合言葉としてスタッフにも話し心掛けているそうだ。また、一時期、ドアマンの需要が減った事もあったがエントランスでおもてなしをし、お客様にドラマのようなワンシーンを体験していただくドアマン事業を導入したことでミステリーショッパーの評価が上がったなどの成功例も相まって導入店舗が増え現在は13件プラス2社が追加で導入を検討したりとドアマン事業も好調である。ラグジュアリーブランドが手掛けるカフェやレストラン、メンバーシップクラブなどの社交場などのオペレーションも手がけるなど勢いは止まらないが、日々勉強ですと謙虚な姿勢も変わらない。「我々が提供しているのが遊びの延長のものが多い」と話すように、自分たちも良いサービスを経験したり、美味しい物を食べないとお客様にも伝えづらいと考え、遊ぶときは楽しく遊び働く時は一生懸命働く事も信条にしている。

2:インプットとアウトプットと共有

代表の中村氏がメインではあるが、各部門が細分化されており各々のリーダーが先行して動いてくれるから中村氏も安心して任しているそうで、彼らも中村氏の考え方やトランジット社らしさも理解している為、着地もスムーズだという。またクライアントワークが多いトランジット社はトランジットブランディングスタジオというアイデアやプレゼンテーション資料を作る専門の部署があり、クライアント側も可視化できる資料があると非常に分かりやすくイメージできると好評だそうだ。そしてメンバーは皆、情報オタクと称するように色々な情報を貪欲に集めインプットとアウトプットを意識し「自分の中で食べ過ぎないでどんどん周りに提供しましょう」と面白い表現をしていたが情報共有も徹底しているそうだ。中村氏も海外出張に行った際にはインスタグラムなどで情報を惜しみなく発信してくれるそうで、すぐに情報を共有しメンバーもリアルタイムで拾うことができるとSNSも活用している。海外で今流行っているモノやコトを日本にないからあったら良いんじゃないかと新事業につながること多いそうだ。その反面、言葉で欲しい時には朝礼や会議も大事にしているがその方法も面白く、各事業部が独自に発表する際に例えば飲食部門はこのテーマでやっていきますが皆さんどうですか!?と政治家の立候補の様に発表をし、ケータリング事業部は実際にラグジュアリーブランドで行った様に照明を落としスタッフが揃ってサービスをスタートさせ、舞台でパフォーマーがダンスをするなど、いわゆる会社の決算報告のようなスタイルではなく良い部分を共有しましょうと楽しんで発表する場として設けている。若い社員も歳を重ねていきいつまでも楽しいだけではいかない、どうすれば給料が上がるかなどの課題も出てきた時にそのためには利益がないといけないとなるが利益だけを追求してつまらない仕事になってしまったら意味がないとやりがいを感じながら楽しみ仕事をして欲しいと考えているそうだが、業績や数字面だけで判断しないことでメンバーものびのびと楽しく仕事をしているんだと話を聞いているだけで想像ができた。

3:今後の展望

海外からの問い合わせも増えているそうだが、トランジット社と組むことで日本での新規事業を安心して任せられるのはそれだけ成功例がある賜物ではないだろうか。トランジット社にはパシフィックシリーズという七里ヶ浜のドライブインカフェ〈Pacific DRIVE-IN〉、ベーカリーショップ〈Pacific BAKERY〉、ゴルフブランド〈Pacific GOLF CLUB〉、ハワイアンの〈Pacific BAKE HOUSE〉の4業種があるが自社ブランドがあるというのも強みだと話してくれた。優秀な人材がいるからこそ可能性がありそこに期待して欲しいとも話すように、数年後には自分たちも想像しなかったようなことをやっているかもしれないともっと大きくならないといけないと鼓舞しながらも楽しんでいる様子も伺えた。「5年後にはお寿司屋さんをやっているかもしれないです」と、冗談混じりに話していたが代表の中村氏も歳を重ねカジュアルなカフェも良いが趣味趣向も変わり落ち着いたカウンターの空間などにも魅力を感じているのかもしれない。しかし、クラフトビール醸造所併設のブルワリーレストラン〈dam brewery restaurant〉など自らビールを作りさまざまなソースを組み合わせたポテトチップスやソフトシェルクラブのフライなどの料理を提供するなど攻めの姿勢は健在である。

2週に渡り話を聞かせてもらったが、全力で遊び仕事に繋げ常に情報をキャッチするアンテナを常に張っている人たちが集まっている会社なんだと思う。子供の心を持った大人という表現がぴったりな人たちであり、仕事を楽しんでやっている羨ましさも感じた。次は何を仕掛け私たちを驚かせてくれるのかと今からワクワクしてしまうのは既にトランジット社の戦略にまんまとハマってしまっている感は否めないがそれでも楽しみに期待していきたいと思う。